【2月1日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)は31日、男子シングルス決勝が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は6-1、7-5、7-6で第2シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)を下し、大会最多タイとなる6度目の優勝を飾った。

 世界ランク1位のジョコビッチは2時間53分でマレーを退け、テニス界での権威を一層強めた。一方、不発に終わったマレーは、全豪の決勝で5度目となる敗戦を喫している。

 ジョコビッチは、1961年から67年にかけて6度全豪を制したロイ・エマーソン(Roy Emerson)氏の持つ大会記録に肩を並べるとともに、四大大会(グランドスラム)では通算11勝目を挙げて、ロッド・レーバー(Rod Laver)氏とビョルン・ボルグ(Bjorn Borg)氏に追い付いた。

 ジョコビッチは「特に、ロイ・エマーソンに並ぶ最多6度目の全豪オープン優勝という歴史を今夜作ることができたということで、信じられないような
気持ちだ。今夜のこのトロフィーは自分にとって唯一のもの。歴史を作るという機会があることが、コートに出ていく前に、モチベーションややる気を与えてく
れる」と語った。

 2008年大会ではジョーウィルフライ・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)を退けて自身初のメジャータイトルを獲得し、12年大会ではラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)との激闘を制してタイトルを手にしているジョコビッチは、11年、13年、15年に続きマレーを下し、メルボルン(Melbourne)での無類の強さを改めて強調した。

 またジョコビッチは、昨年の全仏オープンテニス(French Open 2015)決勝でスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)に敗れて以降、グランドスラムでの連勝を21に伸ばしている。

 ジョコビッチがその評価を高める一方、マレーは1968年のオープン化以降では2人目となる、グランドスラムの決勝で5度敗れた選手という望まぬ記録を手にした。マレーの元コーチだったイワン・レンドル(Ivan Lendl)氏が、1982年、83年、84年、88年、そして89年に全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)の決勝で黒星を喫している。

 表彰式でマレーは、まもなく第一子を出産する妻キム(Kim)さんへの感謝を述べる際には、目に涙をたたえていた。

 決勝でジョコビッチは123ポイントと、99ポイントにとどまったマレーを24ポイント上回った。またマレーは、フォアハンドで28本、バックハンドで29本など、合計65本のアンフォースドエラーを重ねた。

 第1セットを30分で先取したジョコビッチは、36本続いたラリーを制すなどして80分をかけて第2セットを奪取。第3セットはタイブレークにま
でもつれたが、6-1と5つのマッチポイントを握ると、3度目のマッチポイントでサービスエースを決め、優勝を飾った。(c)AFP/Robert
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