【12月15日 AFP】2016年米大統領選挙で共和党の指名獲得争いに加わっている富豪で著名人のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、6月の出馬時にメキシコが米国に「強姦(ごうかん)魔」を送り込んでいると言い放ったことを皮切りに、扇動的な発言の数々で世間を騒がせ続けている。
世論調査では14人いる共和党候補の中で現在最も高い支持率を得ているトランプ氏だが、その口からは支離滅裂な言葉が次々と飛び出す。普段は遠回しな脅し文句や表現を好むが、必要ならばこれでもかと言わんばかりの露骨な攻撃もいとわない。
同氏のこれまで半年に及ぶ選挙活動で話題となった数々の発言の一部を、以下に紹介する。
■イスラム教徒について
「それは間違いなくやるつもりだ。絶対にやる。データベース以外にも、たくさんのシステムがあるべきだ」
── 11月19日、イスラム教徒をデータベースに登録すべきだと思うかという記者からの質問に答えて
「ドナルド・J・トランプは、何が起こっているのかをわが国の指導者らが把握できるまで、イスラム教徒の入国を全面的かつ完全に禁止することを呼び掛ける」
── 12月7日の声明より
■メキシコ人や移民について
「もし私が勝利したら、彼らは帰国することになる。彼らには帰ってもらうよ、本当に」
── 9月30日の選挙集会で行われた、米国内のシリア難民への対応をめぐる議論での発言
「メキシコが送り込んでくる人々は、ベストな人材ではない…問題だらけで、米国に麻薬や犯罪を持ち込んでいる。彼らは強姦魔だ。中には善良な人もいるのだろうが」
── 6月16日、ニューヨーク(New York)での出馬表明で
■過激派の脅威について
「(2001年9月11日の同時多発テロで崩壊した)世界貿易センター(World Trade Center)のようなことがさらに起きる。事態は悪くなる一方だ。政治的に正しいことばかり言い、間抜けなことをすることはできるが、状況はますますひどくなっていく」
── 12月7日の選挙集会での発言
「私だったらどう対処するかは、みなさんは聞きたくはないだろう。(それを言えば)相当な面倒を起こすことになる。われわれは、とても厳しく対応していく」
── 14人が犠牲になったカリフォルニア(California)州銃乱射事件の2日後の12月4日、テロリストの脅威についての発言
■バラク・オバマ(Barack Obama)大統領について
「誰かが彼について何か悪いことや議論を巻き起こすようなことを言うたびに、彼を擁護する道徳的な義務が、私にはあるだろうか?そうは思わない!」
── 9月19日、ある支持者が、オバマ大統領はイスラム教徒であって米国民ではない、と発言したことについてのツイッター(Twitter)投稿で
■女性ジャーナリストについて
「彼女は、ありとあらゆるばかげた質問を私に投げ掛け始めた。彼女の目から血が流れ出ていたのが分かったよ。彼女のどこからであれ血が出ていた」
── 8月7日、共和党の大統領予備選討論会で司会を務めた米フォックス・ニュース(Fox News)のメーギン・ケリー(Megyn Kelly)氏を批判して
■他の共和党員について
「あの顔を見てみろ!誰があんなのに投票するかね?想像できるかい、次の大統領の顔があれだって?」
── 9月9日発行の米誌ローリング・ストーン(Rolling Stone)で、共和党候補のカーリー・フィオリーナ(Carly Fiorina)氏について
「彼は戦争の英雄なんかじゃない。戦争の英雄になったのは、捕まったからだ。私は捕まらなかった人間の方が好きなんだよ。こんなこと言いたくはないが」
── 7月18日、2008年大統領選で共和党候補指名を獲得したジョン・マケイン(John McCain)上院議員について
(c)AFP
出典 http://www.afpbb.com/articles/-/3070334?pid=0