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グリーンの女王たち―米女子ゴルフツアーを席巻する韓国人選手 [スポーツ]

【12月2日 AFP】ゴルフ選手は覚えておいた方が良い。超ハイレベルな国内ツアーを運営しながら、優秀でやる気あふれる若手選手を無限に輩出する韓国は、これからも世界の女子ゴルフ界を席巻し続けるだろう。むしろ、勢いを倍増させるかもしれない。

 多くの選手はここ数年、韓国人選手が完璧なテクニックと強靭(きょうじん)な精神力を武器に、次から次へトロフィーを掲げる様子を驚嘆のまなざしで見つめてきた。実際、直近のメジャー10戦のうち、5大会で韓国籍の選手が優勝している。

 全米女子プロゴルフ協会(LPGA)のランキングでは、世界ランク2位の朴仁妃(Inbee Park、パク・インビ)など、トップ10のうち6選手が韓国籍となっており、世界1位のリディア・コー(Lydia Ko、ニュージーランド)も、生まれは韓国である。

 トップ20で見てみると9選手が韓国勢で、2015シーズンの32大会中、15大会を韓国籍の選手が制した。また、このうち2選手は米ツアー参戦初年度での優勝となっている。

 韓国人女子選手の圧倒的な強さについては、アーチェリー競技と同様にさまざまな説が飛び交っており、彼女たちが持つ「繊細な指」が関係しているのではないかと唱える人々もいる。

 より説得力があるのは、韓国人の勤勉さと、両親の献身的なサポートが、熱心な教育体制と相まって、ゴルフに必要な反復練習と集中的な特訓につながっているのではないかという説だ。

 しかし、韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)の姜春子(Choon-Ja Kang)副会長は、国内ツアーのレベルが非常に高いため、選手がほぼ完成した状態で海外ツアーに出ていくことが本当の答えだと考えているようだ。

 姜氏はAFPに対し、韓国人女子選手が世界の舞台で活躍できるのは、「トップクラスの大会を経験させるために構成された非常に競争力の高い国内ツアーを通じて、スター選手が誕生し続けているから」だとコメントした。

■火付け役はパク・セリ

 韓国勢の台頭は、1998年に20歳の新人ながら全米女子オープン(US Women's Open)を制したパク・セリ(Se Ri Pak)から始まった。

 最も歴史が長いメジャー大会を制する初の韓国人(アジア勢でも初)となったパク・セリは、韓国におけるゴルフブームの火付け役となった。

 パク・セリが、1998年にLPGAツアーで新人賞を受賞してから、田仁智(In Gee Chun、チョン・インジ)が2015年の全米女子オープン(US Women's Open 2015)を制するまで、通算7人の韓国人選手が同大会を制している。

 10月のハナバンク選手権(LPGA KEB Hana Bank Championship 2015)で韓国を訪れたベテランのジュリ・インクスター(Juli Inkster、米国)は、「勤勉さ、基礎、テクニックが非常に優れている」と韓国勢の強さを評し、「韓国で好きなところは、人々や選手が女子ゴルフに対して大変な敬意を払ってくれること」とコメントした。

 1990年代に数百人だったプロ選手、セミプロ、ティーチングプロは、現在2000人以上にまで増えており、KLPGAツアーは、選手のレベルに合わせて3部構成となっている。

 ジャンプツアー(3部)は16大会、ドリームツアー(2部)は20大会、そして1部ツアーは29大会を設けており、1996年、20億ウォンに過
ぎなかった1部ツアーの賞金総額は、男子ツアーの約2倍に値する185億ウォン(約19億5000万円)にまで膨れ上がっている。

 姜氏は、「下部ツアーは、選手がスキルアップを図り、早い段階から将来に向けて実益を兼ねた経験をする良い機会になっています」と言う。

 このシステムのおかげで、選手たちは自信を失うことなく競技に取り組めるようだ。

 2015年の韓国ツアーで3勝を挙げている朴城ヒョン(Sung Hyun Park)は、「KLPGAのトップ選手は、LPGAツアーでいつでも優勝できる実力を持っています」と表現する。

 

■国内ツアーの高い壁

 朴城ヒョンは、同世代の選手と同様に幼いころからゴルフに親しみ、8歳で初めてクラブを握ると、両親に支えられながら集中的な特訓を受けた。

 22歳の朴城ヒョンは、「母が本気になったんです。当時はパク・セリ選手がよくテレビに出ていて、私も『パク・セリ・チルドレン』の一人としてゴルフを始めました」と明かしている。

「明け方から夕暮れまで、長いときは毎日8時間も練習していました」

 現在13歳のソフィア・リー(Sophia Lee)は、そんな未来のスターの一人だ。1月にゴルフを始めたばかりだというリーだが、すでに放課後のゴルフレッスンを日課としており、毎日午後3時から9時半まで厳しい練習プログラムをこなしている。

 レッスンは決して安くないが、韓国の親は、塾や習い事など、収入の大部分を教育につぎ込む文化がある。そして娘たちが成功を収めれば、その投資は何倍にもなって返ってくるのだ。

 韓国のベテランコラムニストは、「女子ゴルフは、ファンの熱心さや、企業の協賛といった面でも、最も人気のあるスポーツの一つです」と言う。

 選手たちがゴルフを始める時期はどんどん早くなり、経済的に多額の支援を受けながら、最新鋭の施設や練習プログラムなど、トップレベルのものを与えられている。

「しかしこの結果、KLPGAツアーのメンバーになることすら、殺人的に厳しいものになっているのです」

(c)AFP/Lim Chang-Won

http://www.afpbb.com/articles/-/3068804 より転載

 
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タグ:女子ゴルフ
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