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ドイツが核融合装置のプラズマ持続に初成功! [環境・サイエンス]

【12月11日 AFP】ドイツの科学者チームは10日、核融合反応からエネルギーを取り出すための探求での重要な節目に到達したと発表した。核融合は、安全で安価な無限のエネルギー源となる可能性を秘めているとされる。

 核融合では、太陽の中で起きているのと類似した反応過程で、エネルギーを生成するために原子同士を融合させる。対照的に、原子が分裂する反応の核分裂は、安全性や長期的な廃棄物などをめぐる懸念が伴う。

 10億ユーロ(約1330億円)の費用と9年間に及ぶ建設作業を費やした「ステラレーター(stellarator、ヘリカル型装置)」と呼ばれ
るドイツのプロジェクトに取り組んでいる物理学者チームによると、反応容器内部で超高温ヘリウムプラズマを短時間発生させることに成功したという。これは
実験過程での重要な節目とされている。

 独グライフスバルト(Greifswald)にあるマックスプランク・プラズマ物理学研究所(Max Planck Institute for Plasma Physics)のハンス・ステファン・ボッシュ(Hans-Stephan Bosch)氏は「われわれは非常に満足している。すべてが計画通りに運んだ」と話す。

■実現には大きな困難と莫大な費用が

 核融合はその将来性が期待されているが、実現には大きな困難が伴い、莫大な費用を要することが判明している。

 核融合を実現するには、原子を1億度以上の超高温に加熱して、原子の原子核を融合させる必要がある。

 原子核の融合反応は、原子がプラズマと呼ばれる高温電離ガスの状態で閉じ込められた特殊な真空槽内で発生する。真空槽内では、原子が真空槽の低温の壁に接触しないように、超電導磁石を用いて原子を適切な位置で浮遊した状態に保持する。

「ベンデルシュタイン7-X(Wendelstein 7-X)」と呼ばれる装置を用いたドイツの実験の目的は、ヘリウム原子をマイクロ波レーザーで加熱、生成されたプラズマを真空槽内に閉じ込めることが可能かどうかを確かめることだった。

 

■初のプラズマ、0.1秒間持続

 マックスプランク研究所が発表したプレスリリースによると、幅16メートルの装置内で、出力1.8メガワットのレーザーパルスで加熱されたヘリウムガス1ミリグラムから生成された初のプラズマは、0.1秒間持続し、温度が約100万度に達したという。

 同研究所のチームは次に、プラズマの持続時間の延長と、プラズマを生成する最良の方法の解明を試みる予定だ。来年には、使用する原子をヘリウムから、研究の本来の目的である水素に切り替えたいと考えている。

 ベンデルシュタイン7-Xでは、エネルギーの生成は行われない。

 同装置は、プラズマを30分間持続させることを目指している。これは、核融合技術の継続的な運用が可能であることの証拠とみなされる。(c)AFP

 


出典 http://www.afpbb.com/articles/-/3069892


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